琉球大学理学部数理科学科
Department of Mathematical Sciences,
University of the Ryukyus

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イベント

予定なし

集中講義

講師 北野 晃朗 (創価大学理工学部情報システム工学科)
タイトル 1次元円周の微分同相群と円周束の幾何 ポスター
期間 2026年1月26日(月) 〜 1月30日(金)
世話人 藤井 道彦
本講義では、まず1次元多様体としての円周をさまざまな観点から眺め、その微分同相写像がもつ基本的な性質、および微分同相写像全体がなす群構造とその重要な部分群について概説します。 次に、円周をファイバーとする1次元円周束の構造と、円周の微分同相群の性質との関係を説明します。特に底空間が種数$g$の閉曲面である場合を取り上げ、曲面の基本群によるモノドロミー表現や円周束のオイラー類を通して両者の関係を理解します。 最終的には、閉曲面上の平坦円周束のオイラー数に関するMilnorの定理を理解することを講義の到達目標とします。
講師 西垣 真祐 (島根大学総合理工学部物理工学科)
タイトル ランダム行列理論の基礎 ポスター
期間 2026年1月19日(月) 〜 1月23日(金)
世話人 伊藤 雅彦
ランダム行列とはその名の通り乱数を成分とする行列のことで、ランダム行列理論とは行列の確率論と言えます。本講義ではその入門的な講義を試みます。 具体的には、ランダム行列の固有値・特異値が行列式点過程とよばれる排他的統計分布に従うことから始めて、順序付き固有値分布とパンルヴェ方程式・可積分系との関わりや、置換中の最長増加部分列やリーマン$\zeta$関数の零点の分布といった一見すると行列とは無関係に見える数理的対象がランダム行列理論によって普遍的に記述されることを解説します。 さらに、隣接する3つの固有値の間隔の比に関する最近の結果についてお話しします。 (※物理学的な背景は前提とせず、必要な場合は逐一説明します。)

談話会

講師 北野 晃朗 (創価大学理工学部情報システム工学科)
タイトル 平坦円周束のオイラー類とその冪について ポスター
日時 2026年1月29日(木) 16時30分〜17時30分
場所 琉球大学理学部A408教室
世話人 藤井 道彦
円周の滑らかな微分同相写像全体がなす群の群コホモロジーは、円周をファイバーとする平坦バンドルの特性類を与えます。その代表的なものが オイラー類です。無限回微分可能な場合には、平坦円周束のオイラー類が非自明であることを示したMilnor の古典的定理(1950年代)が知られており、さらにそのすべての冪が非自明であることは1980 年代に森田により証明され、その後いくつかの別証明も得られています。 一方で、微分可能性を実解析的な場合に制限したとき、オイラー類の冪が非自明であるかどうかは未解決問題として残されています。 本談話会では、円周束のオイラー類の非自明性に関する歴史的背景を概観するとともに、最近の 森田茂之氏・三松佳彦氏との共同研究について紹介したいと思います。
講師 西垣 真祐 (島根大学総合理工学部物理工学科)
タイトル Riemann $\zeta$ 零点の分布とランダム行列について ポスター
日時 2026年1月22日(木) 16時30分〜17時30分
場所 琉球大学理学部A408教室
世話人 伊藤 雅彦
$\zeta$関数を自己随伴作用素の特性多項式と同定してRiemann仮説を解決しようとするPolyaのスペクトル解釈は, 「非自明$\zeta$零点の相関関数は, ランダムユニタリー行列の固有値の行列式点過程に漸近する」という観察〈Montgomery予想〉に結実した. 本講演ではこのランダム行列と$L$関数の並行性について, Sarnak, Rudnick, Katz, Keatingらによる発展や量子カオス系との関わりを含めて述べる. さらに, Montgomery予想の有限サイズ補正に関して, ギャップ比分布に基づく最新の結果を紹介する.