同様に上の操作で「文字の大きさや色を変更する」は, 非推奨です. これも
同様に文書の論理構造や相互参照と関係ないからです.
HTML は目印をつける(markup)ための物で, レイアウトやデザインを整えるための
物ではありません. また, 上で述べた相互運用
の概念に反しています. 目の見えない人, 色の区別のつかない人が世の中には
いらっしゃいますが, これらの人たちへの配慮も必要です. 目の見えない人は
文書を点字印刷したり, 音声に変換して読む事ができます.
前回, 「空白を使って体裁を整えるな」と言いましたが,
例えば「数学」を体裁を整えるために「数 学」と書くと,
文章読み上げソフトは「かず がく」と誤判断してしまう可能性もあります
.
ですから, 体裁を整えるためのタグは,
定義されていますがその使用は非推奨となっています.
では上のような事を実現したい場合にはどうするかなのですが, HTML 4.01 では文書の体裁はスタイルシートと呼ばれる物で整える事が, 推奨されています. 例えば「数 学」も本文では「数学」と書いて, スタイルシートで字間を広げる指示をする事により実現します. スタイルシートの中で最も良く用いられているのが, CSS(Cascading Style Sheet)と呼ばれる物です. この講義では, スタイルシートについては一切触れません. 興味のある方は, 例えば「ユニバーサル HTML/XHTML 神崎正英著, 毎日コミュニケーションズ」 を参考にして下さい.
もう1つ, 上の操作で推奨できない事があります.
それは 1. の <br>
を挿入して, プロフィールを箇条書きにするところです.
HTML では箇条書きのタグが定義されていますから, 本来ならそれを用いて,
「ここは箇条書きである」と文書内で明示すべきです.
箇条書きのタグに付いては, 後の講義で解説します.
教科書の最後の方には, タグの一覧と規格外・非推奨の注釈がありますので, 常にそれを見るようにして下さい. これらを何も考えずに沢山使っていると 言う意味で, 教科書は悪書です.
講義では, HTML の記述とブラウザでの表示の関連を実感して頂くために, あえて非推奨タグも使います.