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定積分に関する次の部分積分法の式を用いると,
台形公式による数値積分の誤差について調べられる.
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(1) |
定積分
は,
次の図の斜線の面積で近似するとその誤差は, 次のようになる.
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(2) |
部分積分法の公式を用いて, まず次の等式が成り立つことを示そう.
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(3) |
公式 (1) において, として
,
として をとると, (3)の右辺は次のようになる.
再び公式 (1) において として
,
としてをとると, 上の式は次のようになる.
これは(2)の右辺に等しいから, (3)の等式が成り立つ.
前節において, 定積分
を
で近似したときの誤差は
これは,公式の (2) で
とおいた式であるから
(3) により
ここで
であるから, 小区間
において, の最大値を,
最小値をとすると, 次の公式が成り立つ.
関数 が連続であるとき, 分割の個数 を大きくとって, 小
区間の幅 を小さくすると
となる. よって, 定積分
の台形公式
による近似値の誤差は
ここで, 関数 の区分求積法による数値積分を考えると
ゆえに
従って, 誤差は小区間の幅の平方にほぼ比例し,
が小さければ, 誤差も小さいことがわかる.
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