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定積分に関する次の部分積分法の式を用いると,
台形公式による数値積分の誤差について調べられる.
![$\displaystyle \int_\alpha^{\beta}h(x)g'(x) dx =
\left[h(x)g(x)\right]_\alpha^\beta-\int_\alpha^{\beta}h'(x)g(x) dx$](img16.png) |
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(1) |
定積分
は,
次の図の斜線の面積で近似するとその誤差は, 次のようになる.
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(2) |
部分積分法の公式を用いて, まず次の等式が成り立つことを示そう.
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(3) |
公式 (1) において,
として
,
として
をとると, (3)の右辺は次のようになる.
再び公式 (1) において
として
,
として
をとると, 上の式は次のようになる.
これは(2)の右辺に等しいから, (3)の等式が成り立つ.
前節において, 定積分
を
で近似したときの誤差は
これは,公式の (2) で
とおいた式であるから
(3) により
ここで
であるから, 小区間
において,
の最大値を
,
最小値を
とすると, 次の公式が成り立つ.
関数
が連続であるとき, 分割の個数
を大きくとって, 小
区間の幅
を小さくすると
となる. よって, 定積分
の台形公式
による近似値の誤差は
ここで, 関数
の区分求積法による数値積分を考えると
ゆえに
従って, 誤差は小区間の幅の平方
にほぼ比例し,
が小さければ, 誤差も小さいことがわかる.
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