私家版琉球大学大学院理工学研究科数理科学専攻修士論文用スタイルファイル 20210104版
1 uryukyumthesis.cls
jsarticle を元に作った 私家版 の琉大大学院理学研究科数理科の修論の platex(あるいは uplatex)用スタイルファイル (個人的に作った私家版であり 琉大公式のものではありません ). 令和2年度修士論文作成要綱(5)準拠.
内部で jsarticle を
a4paper,oneside,onecolumn,12pt,titlepage,disablejfam
の(章を使う場合は jsbook を
a4paper,12pt,titlepage,report,disablejfam
の)オプション付きで読み込んでいる.
1.2にあるオプション( sept,usechapter,nonewtx
)以外は jsarticle
(あるいは jsbook )に渡される. が,
オプションの実行の順序の都合でいくつかのオプションは jsarticle
に渡しても多分無視される. (1.4参照)
1.1 使用法
クラスファイル uryukyumthesis.cls を TeX のクラスファイルのある場所, あるいはコンパイルしようとする tex ファイルと同じ場所におく.
表紙で太字明朝体(4参照)が必要なので, 内部で otf パッケージをよんでいる. 普通に TeX 環境を用意すると大抵入っていると思うが, otf パッケージがインストールされていない場合はインストールしておく. newtxtext パッケージも読み込んでいる. これも大抵入っていると思うが, インストールされていない場合はインストールするか, オプションで読み込まない指定をする. 1.2参照.
次のようにして使う.
\documentclass[dvipdfmx]{uryukyumthesis} %\documentclass[uplatex,dvipdfmx]{uryukyumthesis} %uplatex の場合 \usepackage{amsfonts,amsthm,amssymb,amscd} %必要なパッケージ \usepackage{mathtools} %をよみこむ %\usepackage[ms-hg]{pxchfon} %フォント埋め込み MS Office を持ってる場合 \theoremstyle{definition} %マクロ等, 必要に応じて \newtheorem{thm}{定理}[section] \title{論文のタイトル} \author{論文の著者} \adviser{指導教員の名前} \etitle{Title in English} %欧文の表題ページ等, 必須 \eauthor{Name of the author} \eadviser{Name of the adviser} \shusa{主査の名前} %主査, 副査の名前と順番は指導教員に聞く. \hukusaa{副査aの名前} %分からなければ空白{}に. \hukusab{副査bの名前} %\hukusac{副査cの名前} %副査が3人の場合は \hukusac{} を使う. %% 論文審査会のページの論文題目に改行を入れたければ下記を使う % \shinsatitle{修士学位論文題目 \\ (明朝体18ポイント, 太文字)} \begin{document} \maketitle \begin{abstract} %アブストラクト, 必須 アブストラクトは日本語と英文両方書かなくてはならない. \eabstract %英文の前にこれを入れると英文用の行間になる. You must write an abstract in English. \end{abstract} \begin{acknow} %謝辞, 原則として必要 一応, 感謝の言葉を \end{acknow} \section{本文} %以下本文
いくつかの注意事項
- 9月修了の場合は
sept
オプションを使う. 1.2参照. - 章(
\chapter
)を使いたいときはusechapter
オプションを使う. 1.2参照. 令和2年度に要項の変更があり, 論文審査会委員書名用のページに 論文題目と氏名を記載することになった.
自動 で記入するようになっているが, 表題のタイトルに改行を入れていても, 論文審査会委員書名用のページの論文題目の方は改行されないようにしている. こちらにも改行を入れたい場合,
\shinsatitle{}
を使う.- 要綱によると概要は和文, 英文両方で書かなくてはならない.
一般に英文の方が和文よりも行間を狭く設定する. (その方が見た目がよい.)
そこで
\eabstract
というコマンドを用意した. このコマンドの後は行間が狭くなり,abstract
環境を 抜けるともとに戻る. 要綱によると原則として謝辞, 目次をいれることになっている. このスタイルファイルでは謝辞の後に目次が 自動的に 入るようになっている.
\mainmatter
,\tableofcontents
を書く必要はない. というより書くと多分おかしくなる(2.5参照).概要, 謝辞, 目次はそれぞれ別ページになる.
謝辞や目次を載せたくない場合は
noacknow
,notableofcontents
オプションを使う. 1.2参照.- 要項では英文は Times フォントを使えとなっているので,
内部で newtxtext パッケージをよんでいる.
これが気に食わない場合は
nonewtx
というオプションを指定すると読み込まない. 1.2参照. - jsclasses を読み込んでいるので,
正確な長さの指定をするときは
\hspace{10truecm}
のようにtrue
を付ける必要がある. 原寸大のEPSは[scale=0.8163265]
とスケールする. ( http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/jsclasses/ 参照.) - 内部で jsarticle(jsbook)に
disablejfam
オプションを 渡している(2.4参照)ので数式中で日本語フォントは使えない. 数式中で日本語を使いたい場合は\text
等を使う. - 要綱では論文審査会委員書名用ページ, 概要, 謝辞にはローマ数字でページ番号をふり, 目次以降は算用数字でページをふることになっているのでそのようにしている.
- タイトル等の文字の大きさは要綱に従った.
- 要綱では余白は上下左右全て1インチとなっている.
文字サイズは, 要綱に従い40文字×40行となるようにしてある.
jsclasses の文字サイズで余白1インチ, 1行40文字が自然な感じに見えるのは
12pt
なので内部で12pt
を指定している. (Word 等のサイズでいうと, 11ポイントよりほんの少し大きいくらい.) 5参照.
- 印刷して提出するものなので hyperref を使う必要はないと思うが, 草稿の段階ではリンクがあると便利かもしれない. jsarticle で hyperref を使うとページのサイズがおかしくなる場合がある. pxjahyper パッケージを hyperref の後に読み込むと解決してくれる.
1.2 オプション
- 9月修了 sept
表紙の論文提出年月を9月にする9月修了のためのオプション.
\documentclass[sept]{uryukyumthesis}
とすると, 1〜9月にタイプセットした場合は表紙の日付がその年の9月に, 10〜12月にタイプセットした場合は表紙の日付が翌年9月になる.
デフォルト, すなわち
sept
をつけない場合, 1〜3月にタイプセットした場合は表紙の日付がその年の3月に, 4〜12月にタイプセットした場合は表紙の日付が翌年3月になる. - 章を使うための usechapter
デフォルトでは
\chapter
は使えない.\documentclass[usechapter]{uryukyumthesis}
とすると, 章(
\chapter
)が使える. - newtxtextを読み込まないための nonewtx
内部で newtxtext パッケージをよんでいる. これが気に食わない場合は
\documentclass[nonewtx]{uryukyumthesis}
とすると読み込まない.
- 目次を載せない notableofcontents
要項によると原則として目次を載せることになっているので, デフォルトでは謝辞の後に改ページし, ページを算用数字に変え, 目次を出し, 更に改ページする.
\documentclass[notableofcontents]{uryukyumthesis}
とすると目次を載せない.
- 謝辞を使わないための noacknow
要項によると原則として謝辞を載せることになっている. デフォルトでは
acknow
という謝辞用の環境を定義しており, その後で目次を出している. 謝辞を載せないと目次が自動では出てこない. (なんか自動的に判定したいけど…) 謝辞を載せたくない場合は\documentclass[noacknow]{uryukyumthesis}
とすると概要の後に目次を出す. また
acknow
環境を定義しない.
1.3 廃止したオプション
- amsthm の見出しをゴシックにする gtthmhead
otf
をdeluxe
オプションつきで読み込んでいると,amsthm
の定理の見出しのフォントが太字明朝体になることを知った. (ただし,pxchfon
等を用いて太字明朝体のフォントを埋め込まないと, 普通の明朝体になる. Thanks to Sesoko kun. )これを太字ゴシックにするオプションを作っていたが, ちょっと黒々となりすぎて使えなさそうなので, デフォルトで amsthm の定理の見出しのフォントを中字ゴシックにするようにした.
これが気に食わず, 定理環境を自分好みに指定したければ,
\newtheoremstyle
とかthmtools
等を使う.
2 変更履歴
2.1 2018/01/23版からの変更
- gtthmhead オプション削除.
- 新要項にあわせて論文審査会のページの体裁変更.
2.2 2018/01/18版からの変更
- gtthmhead オプション追加.
2.3 2017/03/16版からの変更
- jsclasses のレイアウト変更(
\topskip
のサイズ変更)に伴いレイアウトの修正. 2016-08-17以降の jsclasses を使っている場合, 2017/03/16版だと1ページ39行になってしまう. 新しい2018/01/18版では, 2016-08-17以降, それより古いもの, いずれの jsclasses でも 1ページ40行になるはず.
2.4 2016/09/15版からの変更
- jsarticle(jsbook)に
disablejfam
オプションを渡すことにした.beamer
等に流用する際, 数式中に日本語フォントが入っていると面倒なので.
2.5 2016/02/04版からの変更
- これまではいくつかの理由から jsarticle を直接書き換えていたが, jsarticle から変更する部分だけを書いて, 内部で jsarticle, jsbook を読み込むことにした. 使う側にはほとんど関係ない.
\mainmatter
,\tableofcontents
が自動的に実行されるようにした. 明示的に記述する必要はない.書いてもエラーは出ないが,
\mainmatter
を書くとページ番号がリセットされる?\tableofcontents
を書くと(中身が空っぽの?)目次がもう一つ出来る.- オプション
otfold, otfdev
を削除. ある程度新しい TeX 環境が入っていることを前提とすることにした. - geometry は使わないことにした.
内部で geometry パッケージと jsclasses を読み込むとサイズの調整が面倒なので.
geometry を読み込まないためのオプション
nogeometry
は削除.
2.6 2015/02/04版からの変更
- 副査が3人の場合のオプション
chukusa
を削除.
\hukusac{}
があると自動的に3人目の欄を作るようにした. otfdev
をデフォルトにした. オプションotfold
を追加.- 章を使いたい場合のオプションの名前を
usechapter
に変更.book
も残してある. - マージン等の処理を geometry に任せることにした.
内部で geometry パッケージをよんでいるが,
読み込まないためのオプション
nogeometry
を追加. - 英文は Times を使えということなので, 内部で newtxtext パッケージをよんでいる.
読み込まないためのオプション
nonewtx
を追加. - 表紙の「Adviser」を見本に合わせて「Supervisor」に変更.
- 表紙のフォントサイズをDTP版のポイントにした. (TeXで使われているポイントは word 等で使われているものより小さい.)
2.7 2015/01/16版からの変更
- 副査が3人の場合用のオプション
chukusa
を追加.
2.8 2010/12/14版からの変更
- 元にしている jsclasses が新しいもの(140207)になっている.
- 表題のフォントサイズを要項の指定通りにしている. 前の版はミスのためか敢えてそうしたのか忘れましたが若干大きめになっていた. (今にして思えば敢えてそうしていたのだと思う.)
- 表題の専攻等の部分の順序を「数理科学専攻・大学院理工学研究科・琉球大学」から 「琉球大学・大学院理工学研究科・数理科学専攻」に変更. (以前の版を作った際の要項のサンプルと今回の要項のサンプルとが変わっていたので.)
jfam
の振る舞いを変更.
3 レイアウト
4 太明朝等
最近まで太字の明朝体を使うのは少し面倒であった.
しかし, texlive2020 以降 は原の味フォントがデフォルトの日本語フォントとなり, 何もしないでも太字の明朝体が使える.
以下の情報はもう不要かもしれないが一応残しておく.
texlive2017 に含まれる dvipdfmx と pxchfon パッケージを使うと, 2017年に無償公開された源ノ明朝/Noto Serif CJK という多ウェイトの明朝体のフォントを使える. これで Unix 系のOSでも太字の明朝体を使うのが楽になった. ありがたいことです.
4.1 明朝体太字のフォント
フォントを埋め込んだ pdf ファイルをその辺に公開すると ライセンス的に問題があるかもしれませんが, ちゃんと入手した(OSに付属等の)フォントを使って作った pdf ファイルを 印刷 して 修士論文として大学に提出するのは多分問題無いでしょう.
4.1.1 Windows
Word が入っていれば HG明朝体という太字の明朝体のフォントが入っていると思う.
琉大の学生は在学中 Office 365 を使える.
- Windows 8.1 以降であれば游明朝体というフォントが入っている. 太字もある.
4.1.2 OS X
ヒラギノ明朝というフォントが入っている.
4.1.3 Adobe reader
Adobe reader をインストールすると小塚明朝というフォントもインストールされる. が, 太字の明朝体はない.
Adobe の製品がパソコンにバンドルされてたりすると, 小塚明朝もいくつかのウェイトのものが入っているかもしれない.
4.1.4 *BSD や Linux
(BSD や Linux に限らず)源ノ明朝/Noto Serif CJK が使える.
4.2 LaTeX で使う
4.2.1 LaTeX がフォントを見つけられるようにする
ここでは Windows の場合を述べます.
私は Mac を使っていないので Mac の場合は分かりませんが,
ヒラギノがあるのでわざわざ色々やる必要はないでしょう.
BSD や Linux の場合は自力でなんとかして下さい.
検索するとシンボリックリンクをはれ等といった記事が出てきますが, 最近の TeX(少なくとも windows の texlive2015 以降)では 何もしなくとも OSのシステムフォント(大抵は C:/Windows/Fonts に入っているフォント)を使えます.
ただし, 別の場所にインストールされているフォントを使うには texmf.cnf を編集する必要がある. (この場合もシンボリックリンクをはったりする必要はないはず.) 使いたいフォントが
C:/Program Files (x86)/Hogehoge/Fonts
にあれば,
texlive/texmf-local/web2c/texmf.cnf
の OSFONTDIR の部分を例えば次のように書き換える.
% (Public domain.) % This texmf.cnf file should contain only your personal changes from the % original texmf.cnf (for example, as chosen in the installer). % % That is, if you need to make changes to texmf.cnf, put your custom % settings in this file, which is .../texlive/YYYY/texmf.cnf, rather than % the distributed file (which is .../texlive/YYYY/texmf-dist/web2c/texmf.cnf). % And include *only* your changed values, not a copy of the whole thing! % %OSFONTDIR = $SystemRoot/fonts// OSFONTDIR = C:/Program Files (x86)/Hogehoge/Fonts//;$SystemRoot/fonts//
フォルダ名に空白があっても上記のように書けば見つけてくれるようだが, うまくいかなければ次のように MS-DOS8.3 形式を使ってみるとよいかもしれない.
OSFONTDIR = C:/PROGRA~2/Hogehoge/Fonts//;$SystemRoot/fonts//
なお, texlive/texmf-local/web2c/ というフォルダに texmf.cnf というファイルが無ければ, texlive/20xx/texmf-dist/web2c/ にある texmf.cnf をコピーする.
4.2.2 見つけられるようにしたフォントを使う
一番楽なのは pxchfon パッケージを使う方法だと思います.
texlive2015 や texlive 2016 付属のものであれば
\usepackage[ipaex-hg]{pxchfon}
とすると, 太字はHG, その他はIPAexフォントが埋め込まれます.
ipaex-hg
等のオプションについては pxchfon の
ドキュメントを参照して下さい.
5 令和2年度度修士論文作成要綱の抜粋
理工学研究科(工系/理系) 修士及び博士学位論文作成要領 1. 用紙 A4判(210 x 297mm)に、縦置きで作成する。 2. 表紙、背表紙 板目紙又は模造紙等を使用する。表紙、背表紙には、下記の事項を記載する。 表紙、背表紙の色は、特に指定しないが、専攻や講座によっては指定するところがあるので指導教員に確認すること。(表紙、背表紙の見本を参照する) 3. 記述要領 原則として、以下によるものとする。 (1)左から右への横書きとする。 (2)各ページとも下中央に通しページ番号を記入する。ただし、表紙、標題には、ページを入れない。 標題ページの次頁(論文審査会委員署名用ページ)以降をローマ数字(i,ii,iii..)とし、 目次以降は、算用数字(1,2,3..)とする。 (3)本文中に図表なども含める。(図表の説明は、英文で記述するのが望ましい) (4)パソコン等を用い、1頁40行、1行40文字以内(和文の場合)で記述する。 (5)文字サイズは、10.5 - 12ポイントで、和文の場合明朝体、英文の場合Timesで記述する。 (6)用紙は、片面又は両面を用いる。(製本時に背文字を入れる点に留意) (7)余白は、上下左右すべての余白を2.5 cm(1インチ)とする。 4.内容項目の配列順序 論文の内容項目の配列順序は、原則として次の項目を含めるものとする。 (1)標題ページ(見本の通り) (2)論文審査会委員署名用ページ(見本の通り) (3)概要(Abstract) (4)研究関連論文業績 (Author’s Publication List)(別の学位審査に使用していない論文に限る) (5)謝辞(Acknowledgements)[(8)の参考文献の前後でも良い] (6)目次(Table of Contents)(以降、算用数字1,2,3,,とする) (7)本文(Text)、図表(Figures and Tables)を入れる。 (8)参考文献(References)(各章の後でも良い) (9)その他(付録など)Others (Appendix etc.) 学位論文種別、論文題目、著者名、講座名(任意)、専攻名などを和文と英文で記述する。(見本の通り) 概要は、日本語と英文の両方で作成する。本文は、適当な項目に分けて記述する。 5.図や写真 図表類はパソコン等を使用して清書し、300dpi以上の性能のプリンタで印刷すること。 図表類のキャプションは、原則として図・グラフの場合は図・グラフの下、表の場合は表の上に配置する。 図・グラフ・表等は、本文中に挿入するか、各章の終わりや本文の末尾にまとめる等見やすいように配置する。ただし、図やグラフ及び写真の説明は英文が望ましい。 6.提出 理工学研究科規程第19条により提出する論文について、所定の期日までにファイルに挟んで学部事務室に提出すること。 正副いずれも良質の複写でよい。 ただし写真は写真プリントの複製品を用いるか、良質の複写機、あるいはプリンタで作成したものを用いること。