ただし, WWW が成長して行く過程で, さまざまな独自拡張のタグが現れました.
例えば「文字列を点滅させる」という独自拡張が以前はありましたが,
現在では HTML 規格外です.
最初の方でも述べましたが, HTML の考え方は文書の論理構造と相互参照なので,
「文字列を点滅させる」のような概念は規格に入りません
(文字列を強調するタグとして, <strong>
や<em>
がある).
規格外のタグを使うと, ブラウザでの表示は保証されませんから,
使うべきではありません.
HTMLの(古い)参考書の中には, このような内容のことを書いてあるものも
ありますので, 本を選ぶときには注意してください.
HTML5 についても幾つかの解説書がでています. どの本が良いのかは, 今のところ判断ができないのですが,「初心者向け」を謳っている本に, 「悪い本」の割合が高いのは, 昔からです.
HTML は情報共有のための規格です. 例えば, HTML文書内で「文字の大きさや色を変更する」 と言うような属性指定は, 非推奨です. HTML5 では, HTML 本体に見せ方を指定せず, 見せ方の指定はスタイルシートとブラウザにまかせます. これも文書の論理構造や相互参照と関係ないからです. HTML は目印をつける(markup)ための物で, レイアウトやデザインを整えるための物ではありません. また, 上で述べた相互運用の概念に反しています. 目の見えない人, 色の区別のつかない人が世の中にはいらっしゃいますが, これらの人たちへの配慮も必要です. 目の見えない人は 文書を点字印刷したり, 音声に変換して読む事ができます. 色の区別が付かない人は, スタイルシートを無効にして自分に都合の良い表示で 読む事ができます. レイアウトや配置は, スタイルシートを使うべきです.
最初の方で述べたように, HTML は, HTML5 から HTML Living Standard に移行しています. HTML Living Standard は HTML 5を基礎としているので, 今流通している主な browser の多くは, HTML 5対応です. HTML5(や HTML Living Standard)のタグを(自分で調べて)利用する事は, 積極的に行って下さい.
2022-05-25