なぜこのようなことが起きるのか

上に書いたことは, 授業で述べた内容を守っていない人です. なぜそうなるかの理由はだいたい次の 3つです.

人間はミスを犯す
これは当然のことです. 特に文字コード指定の部分で, ミスが多発するようです. ただ, コンピュータでは人間の犯したミスを 発見するためのツールも多く開発されています. Firefox では, 見ているページを右クリックし,「View page source」を選ぶと, そのページのソースが読め, html としておかしな部分は, 赤字になります. また, HTML5 の文法チェックをしてくれるサイトも探せば 見つかると思いますので, 積極的に利用して下さい.

授業を真剣に受講していない人がいる
この授業のような事を あまり勉強したくはないが, 卒業や教員免許のために仕方なく受講している 人です. それも生き方としてはアリです. 大学の授業で全員が真剣かつ積極的に参加しているというのは, ごく一部の例外 (例えば, 医学科の実習で将来人の命に関わる内容の講義等)を除いて, 却って危ない雰囲気(怪しい宗教に通じる雰囲気)を感じます.

理解力, 読解力に欠ける人がいる
これも, 授業の組み立てを想定したとき, そのような人がいる方が正常です. 例えば, 皆さんに中学 1年の数学の内容を 講義すれば, それを理解できない人はまずいないと考えますが, 大学の授業と しては, 不適切です. 授業の内容を決定する際には, 必ず理解できない人が 現れることを想定するのが, 通常なのです. 誰にでも理解できる簡単な内容で 世の中が成立していれば, わざわざ難しい事を教える必要はありませんが, 残念ながら, そうはなってません.「大学生になった=難しい事を勉強しに来た」 なのです. それから, 論理的な文章の読解力はつけるようにして下さい. 大学で読む文書(教科書)の大半は, 論理的に誤解の無いように書かれた文書です. 読解力というと,「著者の心情を汲み取って, それに共感する能力」のように 捉えがちですが, そのような能力は大学では余り要求されません.

自己紹介のメールを読みますと, 多くの方が教員を志望しているようです (数理科としては普通のことです). しかし, 教員という仕事は 上に挙げた 2番目, 3番目のことを常に抱え込みながら, 授業をしていかなければならないという職業であることは, 理解しておいて下さい. つまり, 受講者全員が情熱を持って受講し, 内容を完全に理解する授業を目指すが, 実際にそれが起こると, それはダメな授業と考えて間違いないという, 自己矛盾を抱えているのです.

student
2017-06-28