おまけ, 学問について

過去 10年近く, この授業を通して数理科学科の新入生に接してきました. 新入生を見てきた私の感想です.

高校までと決定的に違うのは「大学は学問をする場だ」という所です. これは, 大学がレジャーランド化して大学生が勉強しない, という事を 問題にしているのではありません(もちろんそういう実態もわかっています). 「皆さんは学問をした経験がありませんが, これからはそれをさせられますよ」 と言う意味です.

皆さんはそれなりに勉強をして入学していますが, ほとんどの場合 試験に通るための勉強で, 学問としての勉強ではありません. ところが 大学の教員(特に数理の先生)は, 学問としての○○学(自然科学, 人文科学, 社会科学)を皆さんに伝えます. この部分の教員と学生の意識のずれがものすごく大きいように思えます. つまり,「勉強の目的は試験に合格する事ではない」です. そのつもりで数学の専門科目の講義を聴いて, また専門書を読んでみて下さい.

このような事を書くと,「自分は教員志望だから教え方のノウハウと教員免許だけが 欲しい」と言う感想を持つ方がおられると思います. それに対する回答は, 次です.

なお, 社会に出て本当に役に立つことは, 「きちんとした 1つの学問を系統的に勉強した経験」です [*].
student
2017-04-21