レポートに関するコメント(プログラムの書き方)

プログラムは, 動かなければ無意味ですが, 動けば良いと言うものでも ありません. プログラムを読むのは, コンピュータだけではなく, 人間も読みます. また, 会社などでの製品開発では, 自分の書いたプログラムを 他人が読みます. もちろん, その際にはプログラムの記述方式を 全員で話し合いますが. しかし, 初心者のうちに変な癖をつけると, そのような際に苦労します.

これまでに受け取ったレポートで気になる記述を列挙しました.

• while(0!=r)
  括弧内は, $r \ne 0$ の評価式で, 記述としては間違いありません. しかし, C 言語開発者のほとんどは文章を左から右に読むと思います. このような 不自然な記述はしないで r != 0 と書きます.

• unsigned long sum(long n )
  {
    if ( n==1)
       return 1;
    else
       return sum(n-1)*n;
  }
  

  これは, 階乗を再帰で求める函数なのですが, 函数名が sum になっています. テキストの例では, 和を求める函数でしたから, 函数名を summation から sum と名付けたのです. プログラムの中でそれなりの意味を持つ変数や 函数には, それにふさわしい名前をつけます.

• アルゴリズムは, 良く分析する.
  ユークリッドの互除法で最大公約数を求める時に, 2数の大小関係の比較をする 必要はありません. たとえば, 8 と 12 だと, 最初の割算が 8÷12 = 0 あまり 8 ですから, 自動的に 12 と 8 の最大公約数の問題になります. ユークリッドの互除法は, gcd(m, n) = gcd(n, r) (但し r は mを n で割った あまり)ですから, これを 8, 12 に適用すると, gcd(8, 12) = gcd(12, 8) となります.