コンピュータと同じ働きをしているもの

身近なもので, 上のコンピュータと(ある意味で数学的に)同じ働きをしているものは, 「自動販売機」です.

自動販売機は, お金の投入口という入力と, 商品を出す出力部分があります. 多くの自動販売機の動作は次のようになっています

  1. 人間がお金を投入するのを待ちます.
  2. お金の投入が始まると, 入力された金額を記憶していきます.
  3. 販売する商品の金額を超えた時点で,選択可能な商品を提示します.
  4. 人間が購買する商品を決定して指示をすると,商品と, お釣りを出力します.
  5. 1. にもどります.
つまり, 入力の応じた適切な処理を実行して出力をするわけです. 定期的に人間が, 売り上げの回収や商品の補充という メンテナンス(機能維持のための作業)をするのもコンピュータと同じです. 上のような動作を, 商品販売ではなく, 事務作業やゲームなどの方向に進化させたのが, コンピュータです.

自動販売機とコンピュータの大きな違いは, 一つのコンピュータが事務作業機にも, 計算機にも, ゲーム機にも, 電話機にもなるところです. 自動販売機は, 例えば, 飲料の自動販売機をチケットの自動販売機に変えようとすると, 大変なことになります. コンピュータでは, 使うソフトウェアを交換するだけで, その操作時間もあまりかかりません. この部分が, 今のコンピュータの飛躍的な発展に繋がった部分です. これを実現するのが, 前ページの最後の方に書いてある「プログラム内蔵方式」です. von Neumann(フォン ノイマン)という人が, このアイデアを最初に発表したため, フォン ノイマン型と呼ばれています(実際は, 米国で最初に実用的に使われた ENIAC というコンピュータを開発した, エッカート, モークリーあたりがこのアイデアの出所らしい).

2020-12-09